2009/04/07

一生涯

 しばらく前に亡くなった私の伯母は音楽家で、常に貪欲に生きている感じだった。そして音楽家という性質なのかもしれないが、音楽に限らず「一生涯」何かを学んでいたように思う。沢山の本を読んだりラジオを聴いたり、お喋りが大好きで自分が知らないことは恥ずかしがらずに質問をしていた。結婚せず子供もいなかった伯母は、私たち姪っ子を可愛がってくれたのだが、子供心に「面倒くさい~ 恥ずかしい~」と恐怖していた。
 今思い起こすと面白いエピソードだけど、例えば美術館に連れて行ってくれるとなると、まず前日に呼び出され百科事典で下調べをする。それから当日は健康のためバスには乗らず出来る限り歩き、電車に乗ってる間は学校で勉強している教科書を音読させられ質問が出される。そして美術館でわからない事は学芸員さんや物知りそうなお客さんにガンガン質問する(させに行かされる)。贅沢を好まなかった伯母は、外食どころかジュース1本買わず、とにかく倹約。思春期に反発したこともあったが、やっと自分自身大人になってみて伯母から受けた(スパルタ!?)教育のありがたみが理解でき、知的好奇心旺盛で素晴らしい伯母 だったな~と思えるようになった。
 そして伯母のように「一生涯何か学ぶこと」が「人生を楽しむ秘訣」かも?とも思えるようになった。ので、私は今月から大学生に戻ることにした。明日は伯母の命日。皆の夢に出てくる伯母は天国にいて、いつも楽器の練習をしているらしい。

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